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  3. Vol.025 グリーンアスパラガス

岩手のごっつぉ食べらんせ

グリーンアスパラガス
グリーンアスパラガス

堆肥での栄養補給と冬の休息が甘い味わいと強い香りを生み出す

グリーンアスパラガス

  野菜では珍しいキジカクシ科の植物・アスパラガス。岩手県ではコメからの転作作物として昭和50年代にアスパラガス栽培が始まった。上手に育てると10年以上収穫できることや、転作田を活用できることから年々栽培が増えて、2023年の収穫量は約362t。近年ではグリーンアスパラガスの他に、日本一早く出荷される二戸市のホワイトアスパラガスや希少なパープルアスパラガスの栽培も行われている。

生産者

生産者

東京都出身。大学卒業後、北上市内の半導体部品製造会社に生産ラインの設計者として就職。14年勤務し、保険会社の営業に転職する。2017年にアスパラガス畑を譲り受けて就農。5~6月と8~9月の午前6~8時、午後5時~日没まで畑にある直売所で、収穫したてのアスパラガスを販売する。通販も可能。ふるさと納税返礼品にも採用されている。

岩手のアスパラガス。そのおいしさは食べれば、すぐにわかります。ぜひ一度お試しください。
グリーンアスパラガス

つむぐ風土-Story

堆肥を入手しやすい環境と
水はけの良い土壌

 アスパラガス栽培には柔らかくて根が張りやすく、保水性の高い土壌が理想。畜産が盛んな岩手県では、肥料であり土壌改良材としても使える牛の堆肥が低コストで手に入る。また、県土のほぼ全域が保水力の高い火山灰を由来とする褐色森林土と黒ボク土で覆われている。

朝と夕、1日2回収穫

つむぐ人-Story

アスパラガスは鮮度が命

 北上市相去町(あいさりちょう)。住宅街を抜けると突然目の前が開け、石井健一さんのアスパラガス畑が現れる。朝日に照らされ黒々とした土。そこから伸びる鮮やかな緑色のアスパラガス。収穫期の5月。石井さんの作業は朝5時から始まる。6、7人のパートさんとともに雪遊び用のソリを持ち、収穫に向かう。10分もすると小屋に戻ってきた。ソリにはアスパラガスが積まれている。ソリからアスパラガスを取り出した。穂先を底に向けて木箱に入れ、出ている部分を箱のへりに沿って包丁で切り落とす。約27cmに切り揃えられる。切り口からは透明な露があふれていた。新鮮な証拠だという。作業の隣では、すでにアスパラガスを求める人が集まり始めていた。

良い土と寒さが品質を向上させる
グリーンアスパラガス

 東京都出身の石井さんは大学卒業後、技術者として北上市の企業に就職した。14年勤務し、保険の営業に転職。後継者不足で農業をやめる人が多いと、客との世間話で知った。「自営業で生活したいと思っていた時期でした」。知人に紹介された農家からアスパラガス畑、農業用機械などを譲り受け、2017年に現在地で就農。栽培のノウハウは主産地である北海道や九州へ出向き、先進農家に学んだ。「肥沃で柔らかい土をつくることが大切です」。アスパラガスの旬は春と夏の2回。特に春は前年に根に貯蔵した養分の量で、収穫量や品質が決まる。収穫期前の4月。牛ふんともみ殻、樹皮などでつくった堆肥を10a当たり7tほど、畑に敷き詰める。総面積が85aなので約60tの堆肥が必要となる。「酪農家が多い岩手だからできること。県産の堆肥が低価格で手に入りますから」。堆肥に混ざる有機物が土を柔らかくする。柔らかい土の中で根は広く深く張り、より多くの養分を吸収、貯蔵する。「冬にしっかり寒くなる岩手の風土も栽培に適しています」。夏。成長したアスパラガスが光合成を行う。秋になって枯れると、茎に蓄えた養分が根に送られる。養分をすべて受け取ると根は「休眠期」に入り、寒さとともに眠りは深まっていく。休息も来年の収穫量や品質を向上させる。

より喜ばれるために探求する
グリーンアスパラガス

 石井さんの探求により、4年目は約5tだった年間収穫量が6年目の2023年には約10tに増加。就農当初は自分でチラシを配布していたが、口コミやSNSで評判が広がり、現在は約50km離れた盛岡市や一関市からも買いに来るほど。「味に自信はありましたが『新鮮でおいしかった』『こんなに立派なアスパラガスは見たことがない』といってもらえると、やはりうれしいです。でもまだまだ収穫量が足りません。夏は市場に出荷できますが、春は直売所だけで売り切れてしまう。それに近年は立ち枯れする病気も流行っていて、健康に育てる方法も模索中です」。現在も毎年、北海道や九州で最新の栽培方法を学んでいる。植えて翌年から収穫でき、毎年株を更新することで病気のリスクを軽減する栽培方法も、去年から畑の一部で実験中だ。自分がつくるアスパラガスに自信はある。しかし、現状に満足はしない。石井さんの挑戦はこれからも続く。

動画はこちら

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岩手の食がつむぐ物語 Iwate's food story

グリーンアスパラガス

つむぐ料理人-Story

主役を張れるアスパラガス。食べたこと、ありますか?

 自然派ワインを豊富に取り揃えるボンバルは、食材も県産オーガニック野菜や食肉、魚介類を厳選し、旬を堪能できる多彩な洋食メニューを提供する人気店。菊池さんが自然な食材を選ぶ理由は、食の安全もさることながら「純粋に美味しい」から。石井さんのアスパラガスも「甘味が強く、程よい苦味もあって、バランスのいい風味が魅力。熱すると爽やかな『緑の香り』が立ち上ります」と太鼓判を押す。「自然に近い環境で育てられた食材は、つくり手の人柄と土地の風土が表現されています。良い県産食材を通して岩手の人や風土を知ってもらいたい」。ボンバルは食材の良さを発信する場、生産者と消費者をつなぐ架け橋になっている。

プロの逸品

アスパラガスと
ペパロニのピッツァ

アスパラガスと
ラクレットチーズの
グラチネ

味や香りが特に濃い皮も柔らかいためすべて使える。チーズにも負けない風味の強さで、料理のメイン食材として存在感を放つ。

店主 菊池 亮さん
店主 菊池 亮さん

料理人であり、(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエでもある。地元食材を生産者から直接仕入れるかたわら、店で提供するワインもセレクト。「生産者と客と店をひとつにつなぐ」ため、生産者とともに食を楽しむイベントや音楽ライブなどの企画・開催もしている。

自然派ワインと料理のお店Bon Bar(ボンバル)

〒024-0034
岩手県盛岡市向中野5丁目31-15
TEL:019-613-6262

営業時間

18:00~24:00(23:30L.O.)
定休日/日曜日

自然派ワインと料理のお店Bon Bar(ボンバル)
自然派ワインと料理のお店Bon Bar(ボンバル)

自然派ワインと料理のお店Bon Bar(ボンバル)

〒024-0034
岩手県北上市諏訪町2-1-27
アンブロビル2F TEL:0197-72-7744
HP:https://bon-bar.com

営業時間

18:00~24:00(23:30L.O.)
定休日/日曜日

グリーンアスパラガスの取材は、下記の皆さまにご協力いただきました。
石井 建一さん

岩手県北上市相去町中成沢
TEL 090-7562-4747

google MAP
https://maps.app.goo.gl/TN2tn6KaVz4YXfgp7

自然派ワインと料理のお店
Bon Bar(ボンバル)

〒024-0034 
岩手県北上市諏訪町2-1-27アンブロビル2F
TEL 0197-72-7744

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