特集シリーズ イーハトーブ生まれの美味しい食材

全国に誇るブランドを大研究!What is いわてのポーク

全国トップクラスの生産量と人気を誇る岩手のポーク。

今や豚肉の主流を占めるまでになった国産三元豚の歴史は、昭和46年、ここ岩手で繁殖用母豚の開発が行われたことに始まったと言っても過言ではありません。近年では全国にその名を知られる銘柄豚も次々と登場。まさに近代養豚発祥の地である岩手のポークの魅力と生産現場をレポートします。

岩手は全国屈指の養豚県。銘柄豚の生産も盛んです

豚舎の様子

その豊かな自然環境を活かし、食料供給基地岩手では養豚業も盛んです。平成10年度以降の県内養豚生産高は年間200億円前後で推移。平成15年度の産出額は米、ブロイラー、牛乳に次いで第4位。県内農業産出額の約8%を占めています。全国レベルでも常に上位に位置し、昨年度の飼養頭数は約39.6万頭と全国第7位。生産農家一戸あたりの飼育頭数は、全国第1位の1902頭となっています。細部にまで人間の目が届く中堅クラスの生産農家が多いのが特徴で、全国的にも有名なブランドポーク(銘柄豚)の産地となっています。

授乳中の子豚

国産豚の主流となった三元豚とは

異なる品種を交配させ生産された豚を三元豚といいます。これは、異種を交配させると、それぞれの品質の持つ遺伝的長所(大きさ、肉質、繁殖性など)が現れやすい雑種強勢効果を活用した手法です。まず、異なる2つの純血種の交配で繁殖能力に優れたメスを生み出し(2世代目・繁殖用母豚)、肉質に優れた特徴を持つ純血種のオスを交配し、これら親ならび祖父母の長所を持った3世代目の豚(三元豚)を生産することができるのです。

昭和46年、全国に先駆け三元豚の研究・開発に着手

繁殖用母豚「イワテハヤチネ」

このように、三元豚生産においては2世代目の母豚の資質が重要となります。国産豚の増産と養豚振興を目指した国では、昭和46年、繁殖用母豚の開発(系統造成)に着手しますが、このモデル県のひとつとして岩手県が選ばれました。研究・開発の舞台となったのは、滝沢村の岩手県畜産試験場(現・岩手県農業研究センター畜産研究所)。当時の関係者によると「雑種を作るなどそれまでは絶対ありえなかったこと。資料も限られまさに試行錯誤の毎日。休日返上、徹夜の毎日でした」とのこと。まさに難行苦行の研究の結果、ランドレース種(L)のメスと大ヨークシャー種(W)のオスを掛け合わせた母豚「イワテハヤチネ」系を完成。昭和54年に系統認定を受けます。以来、岩手産の豚はこの「イワテハヤチネ」系(LW)とデュロック(D)を交配した三元豚(LDW)が主流を占めているのです。さらに、平成17年からは初代「イワテハヤチネ」系を改良し、産肉性に優れた「イワテハヤチネL2」を母豚とする豚肉が市場に流通するなど、官民一体となってより高品位な豚肉生産を目指しています。

岩手の豚肉が美味しいわけ

こだわりのブレンド飼料

人間以上に神経質で環境の影響力を受けやすいことから、自然環境に恵まれた岩手は養豚に理想的。さらに、牛馬が人間とともに暮らした南部曲がり家に代表されるように、岩手では、古くから家畜が身近な存在で、飼育技術が幾代にもわたり伝承されてきた歴史的背景もあります。岩手県内の養豚は昭和40年代〜50年代に広まりますが、その多くが牛馬の飼育経験者とのこと。まさに、地域の伝統技術が近代的な養豚にも活かされたのでした。
さらに、雫石町には、国内最大規模を誇る「全農東日本原種豚場」をはじめ、県内各地に大規模な原種豚センターもあるなど、昔も今も、岩手県は国内養豚業界の要としての役割も担っているのです。

銘柄豚を生産する現場では、独自にブレンドした飼料を与えています。飼料へのこだわりは、肉の臭みとアクを抑えるなど、生産者それぞれの工夫と独自性をアピールしています。

豚舎から出た排泄物を敷地内で堆肥に加工質の高い有機肥料として水稲、野菜栽培にも用いられる飼料を与える

岩手のポークに関するミニミニ辞典

イワテハヤチネ系を母豚とする系統図 子豚

日本国内で飼われている豚は主に5種類。岩手産ポークの主流となっている三元豚は、品種または、系統間の交配により、その能力が両親の平均能力を上回る現象である「雑種強勢効果」を活用した生産方法です。岩手県では、繁殖性に優れたランドレース(♀)と飼育性に優れた大ヨークシャー(♂)を交配し、能力を固定したイワテハヤチネ系と呼ばれる母豚を開発しました。この母豚に、肉質に優れたデュロック(♂)を交配することで、肉質と産肉性に優れ、しかも飼育しやすいポークを安定して生産することが可能となったのです。

バークシャー種(B)
バークシャー種(B)

イギリス原産。産子数は少ないが肉質が極めて優れている。

デュロック種(D)
デュロック種(D)

アメリカ原産。肉質に優れ強靭で暑さにも強い

大ヨークシャー種(W)
大ヨークシャー種(W)

イギリス原産。足腰が強いが母乳が出ない

ランドレース種(L)
ランドレース種(L)

デンマーク原産。育成能力が高く繁殖能力に優れている。

写真/(財)日本食肉消費総合センター発行「新 食肉がわかる本」より

豚肉で夏バテ解消!

ご存知の方も多いと思いますが、豚肉にはビタミンB1が多く含まれています。ビタミンB1は、糖質のエネルギー代謝に深く関わっていて、体内では多くのビタミンB1が消費されています。また、筋肉を動かすのに必要なグリコーゲンを作る際にもビタミンB1は不可欠です。

豚肉を約120g食べるだけで1日のビタミンB1の必要量が満たされます。夏バテ気味の方は美味しい豚肉でスタミナを回復してください。

豚肉の部位
■豚肉の主要成分表(100gあたり)五訂増補 日本食品標準成分表参照
  カロリー たんぱく質 脂質 炭水化物 各部分の特徴と主な調理方法
肩ロース 253Kcal
17.1g
19.2g
0.1g
コクのある濃厚な味…焼き豚・カレー・生姜焼き
ロース 263Kcal
19.3g
19.2g
0.2g
ヒレと並ぶ最上部位…とんカツ・すき焼き・焼き豚
ヒレ 115Kcal
22.8g
1.9g
0.2g
きめ細やかな豚肉最上の部位…とんカツ・ステーキ
バラ 386Kcal
14.2g
34.6g
0.1g
濃厚な味…スペアリブ(骨付き)・シチュー・角煮
モモ 183Kcal
20.5g
10.2g
0.2g
脂肪が少ない部位…ローストポーク・ステーキ・焼き豚

Copyright(c)2005 pref.iwate All Rights Reserved.