特集シリーズ イーハトーブ生まれの美味しい食材

そのルーツと生産地を訪ねるWhat is いわて純情野菜

大自然豊かな岩手の大地で育まれた「いわて純情野菜」は、そのイメージの通り、新鮮で美味しい野菜ばかりです。近年、農作物に関する安全性、品質、生産者の姿勢が改めて問われていますが、岩手では、早くから生産者の顔が見える安心で質の高い農業にチャレンジ。昭和60年にその姿勢をシンボライズする「いわて純情野菜」という言葉が誕生しました。

今号のテーマはその「いわて純情野菜」の主力商品のひとつである「レタス」。農業と真摯に取り組む生産地の現状や、食に関わる人々を通じ『岩手のレタス』の魅力をお伝えします。

量より質が命。品質日本一の夏秋レタス

レタス半分

昭和30年代の高度経済成長期は、日本の食文化を大きく変えた分岐点でした。洋食文化が一般家庭にも浸透し、レタスが食卓に登場し始めたのもちょうどこの頃。当時の主産地は長野県をはじめ関東近県でしたが、昭和30年代後半から岩手県でも栽培が始まります。最初に栽培が始まったのは一戸町奥中山地区。その後、西根町、雫石町など岩手山麓から北上高地北部の地域へと拡大していきました。

昭和56年頃からは、標高600mを超える高標高地における夏秋レタスの産地化が進み、夏秋レタス産地としての評価を確立。京浜地区の市場における6〜9月の出荷量は長野に次いで第2位。出荷量でこそ首位の座を譲りますが、「この季節の岩手のレタスは食感も軟らかく新鮮で美味しさも抜群。品質の良さでは日本一」との評価をいただいています。

収穫1収穫2

上写真昭和40年代後半から50年代始めにかけての作業・収穫風景

奥中山高原の冷涼な気候と土壌が最高のレタスを育む

レタス導入から40年余り。現在も岩手県を代表する生産地である奥中山地区は、岩手県のほぼ中央、標高1080mの西岳山麓に広がる高原地帯です。耕作地は標高400〜800m地点に分布し、約1280haのレタス畑が広がります。年の平均気温は7.7度。盛夏の頃でも日中の最高気温が30度を超えるのが稀で、昼夜の寒暖の差が激しく、降水量が少ないのが特徴で、病害虫の発生が少なく、実のしまったレタスができあがるのです。

昭和20年代〜30年は、南部甘藍(キャベツ)の産地として名を馳せますが、新産地、新品種の出現により衰退しました。その後、昭和39年にレタスが導入されたのをきっかけに、主力作物をレタスに切り替えました。昭和46年には夏秋レタスの産地として国の指定を受け、昭和54年には東北地方初の真空予冷施設を導入し、現在のような一大レタス産地に成長しました。

安心で美味しい岩手のレタス

かんがい施設の整備により、干ばつ時も安定生産できるようになってきました。

岩手のレタスは雪をも味方にします。奥中山地区の場合、レタス畑は1mを超す豪雪に覆われますが、春先の雪解け水が地中の雑菌・余分な栄養分などを浄化。畑を健康な状態にしてくれるのです。また県内の産地のほとんどは奥中山地区と同様に高原地帯で栽培され、地域に有機(堆肥)センターを有し、土づくりと環境に配慮しています。だからレタスも健全。まさに「純情野菜」の名称にふさわしい、安心で美味しいレタスをお届けすることができるのです。

岩手の気候風土を活かした農作物作り

岩手の気候図

四国4県にも匹敵する岩手県は、北上川流域を除き県土のほとんどが山地に覆われています。いわゆる大陸性気候の特徴が顕著で、気温の日較差が大きく、特に冬場は厳しい冷え込みが続きます。また、ベーリング海峡に発し三陸沿岸を南下する親潮(寒流)もその気候に大きく影響しています。さらに、初夏から夏にかけて岩手県沿岸〜内陸部に吹く冷湿な偏東風「やませ」の存在も特徴的です。オホーツク高気圧から吹きだすこの風は、時に県土に大冷害をもたらす元凶ともなりました。

岩手の農業はこれらマイナス要因との闘いでした。しかし、これら逆境の中で生きてきた岩手の農家の人々は、夏でも涼しいというこの気候的ハンデをプラスに転換。夏場の高温に弱い葉菜類の導入が図り、夏秋期のレタスやほうれんそうの一大産地となっています。

安全、安心の第一歩「純情産地いわて」の新しい取り組みです

純情手帳

食の安全・安心を図るシステムとして注目を浴びている「トレーサビリティ」。直訳すると「追跡可能性」。食の生産履歴から流通経路までの情報を追跡、遡及(遡る)するシステムです。食品の生産情報を消費者に正確に伝えるためには、すべての農産物にこのシステムを導入すべきですが、ジャンル、品目によって生産方法や流通体制に違いがあり、早急に実施できないのが実情です。特に、季節、天候などにより、日々流通経路が変化する青果物の場合は、流通段階も含めたシステム開発は一定の時間を要すことが予想されます。

そこで、JAいわてグループでは、平成15年産の農作物から生産履歴の記帳運動に取り組んでいます。この運動は、登録した生産者に「純情手帳(生産者記帳簿)」を配布し、生産者が生産履歴を記帳し、JAはこの情報を点検・管理し、公開していく取り組みです。岩手県とJAいわてグループが一体となって「純情産地いわて」の安全・安心な農産物を皆様にお届けいたします。

いわば農産物の母子手帳生産履歴を記録する『純情手帳』

「純情産地いわて」生産履歴記帳運動の流れ
生産者 出荷→ 純情手帳提出→ JA(全農) 流通→ 情報公開→ ←情報入手 消費者

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