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岩手の秋を感じながら味わうのもよし…展覧会の食卓

東和町土沢に生まれた萬鉄五郎、旧制盛岡中学でともに学んだ松本竣介と船越保武。

10月6日、この3人の作家を中心に、郷土の作家たちの充実したコレクションが特徴の岩手県立美術館が開館しました。

同時にオープンした「レストランパティオ」は、地元の食材にこだわるレストラン。

今回は、21世紀の「いわての食文化」コレクションの一部を披露していただきました。

サーモンピンクにはクリームとベジタブルグリーンが似合う。「さけのクリーム煮緑野菜添え」

「さけのクリーム煮緑野菜添え」調理例

サケ属には、シロザケ、カラフトマス、サクラマスなどの仲間がいますが、一般にサケと呼ばれているのが、シロザケです。

岩手は、本州一のサケ生産県です。県庁の横を流れる中津川には、河口から200kmの旅をして、サケが遡上してきます。

毎年、県内のふ化場から4億尾を超える稚魚が放流されていますが、川を下って海に出た稚魚は、栄養豊かな北の海を回遊しながら大きく育ち、3〜5年後には、母なるふるさとの川に帰ってくるのです。

平成4年2月には、「南部さけ」を県の魚に認定し、一層さけ資源の育成に努めています。

■調理上のアドバイス
本来は、オゼイユという煮物用野菜として改良されたスカンポの栽培種を使いますが、ほうれん草かレタスで代用します。
サケを蒸焼きにする際に、甘い白ワインを加えるとソースが生きてきます。
■材料(4人前)
サケの薄切り:4枚(320g)、ほうれんそう:1束、生クリーム:1カップ、卵黄:2個、バター・塩・コショウ・レモン:適量
■作り方
@ほうれんそうはサッとゆがいて食べやすく切っておく。レタスを使う場合も同じ。
Aサケは薄いので、塩・コショウは片面だけにする。
Bナベにバターをとかし、サケを入れて焦がさないように蒸し焼きする。火が通ったら器にとって冷めないようにしておく。
CBのナベにほうれんそうを入れて炒め、生クリームを加えて煮る。
D火を細くし、卵黄を混ぜる。火を止めてからレモン汁で味をととのえ、サケの上からたっぷりかける。

大地で育った地鶏のしまった食味がたまらない。「地鶏とじゃがいものロースト」

「地鶏とじゃがいものロースト」調理例

国産の鶏肉には、「若鶏」、「銘柄鶏」、「地鶏」の3つの種類があり、一般的に販売されているのが「若鶏肉」です。

「銘柄鶏肉」とは、飼育条件を変えることによって肉質に独自の特色を持たせている鶏肉です。

「地鶏肉」は、JAS規格のうち特別な生産方法について規定した「特定JAS規格」として定められています。対象となる「在来種」は、明治時代までに国内で成立、定着している38種で、その中には「岩手地鶏」も入っています。

この料理は、見た目の素朴さといい、単純な味といい、もくもく食べたい元気の出る一皿です。

■美味しさの秘密
鶏肉とじゃがいもを一つのフライパンでローストすることで、肉が焼けると同時に、じゃがいもがその肉汁を吸収して、ふっくらとおいしくローストされていきます。
じゃがいもを皮ごと使うのは、ローストする際に、味を逃がさないためで、皮をとると硬くなります。
■材料(4人前)
地鶏:1羽、マリネ用香草(ローズマリー・ミント・セージ:各2枝)、イタリアンパセリ:4枝、にんにく:2片、オリーブ油:適量、じゃがいも:4個、ローズマリー:4枝、エクストラ・ヴァージン・オリーブ油:適量、ブイヨン:200cc、レモン:少量、塩・黒コショウ:適量
■作り方
@鶏肉は大きめにぶつ切りし、マリネ用の香草、皮をむいたにんにくと一緒に入れて混ぜる。にんにくの風味を強くきかすなら刻んで混ぜる。
A鶏全体にからまる程度にオリーブ油をかけ、2時間ほど冷蔵庫内でマリネする。
Bじゃがいもはきれいに水洗いして、皮ごと一口大に切り分ける。
CAの鶏肉、じゃがいも、薄皮をつけたままのにんにく、ローズマリーの枝を合せ、塩、コショウをふり、エクストラ・ヴァージン・オリーブ油をからめる。
DCをフライパンに移し、フライパンごと180〜200度のオーブンに入れ、15〜20分かけてじゃがいもがやわらかくなるまで火を通す。
E鶏肉とじゃがいもをフライパンから取り出し、底に残ったものを火にかけ、少量の水を加えて底にこびりついたうまみを木べらで落とす。
FEにブイヨン、エクストラ・ヴァージン・オリーブ油、レモン汁を加え、塩・黒コショウで味をととのえ、これをソースにする。

今回の表紙「生がきとセロリの柔らかリゾット」

「生がきとセロリの柔らかリゾット」調理例

この料理は、残りご飯を使っても美味しくできる一品です。

あさりは、だしをとるのが目的ですから、新鮮であれば小粒のもので十分です。あさりに限らず、貝はとてもおいしいだしがとれます。パセリの軸があれば、一緒に鍋の中へ、臭み消しになります。

■材料(2人前)
ごはん:300g、生がき(生食用):200g、あさり:100g、セロリ薄切り:1/3本、にんにく:1片、赤唐辛子:2本、イタリアンパセリ:1枝、白ワイン:200cc、オリーブ油:600cc、レモン汁:適量、塩:適量、水(あさりのだし用):300cc
■作り方
@鍋にあさりと水を入れ、弱火で約15分間煮出してブイヨンをとる。あさりは取り出す。
A別の鍋にオリーブ油、にんにく、赤唐辛子を入れ、香りがでるまでゆっくり温める。どちらも刻むことで香りが高くなる。
BAの鍋からにんにく、赤唐辛子を取り出し、セロリの薄切りを加えて炒める。
CBに白ワインを加え沸騰させてアルコール分をとばしたら、ごはんと@のだしを加え、ごはんが水分を吸い込むまで煮込む。
Dイタリアンパセリを混ぜ合わせ、塩で味をととのえる。
E生がきを加え、さっとあえ、レモン汁を好みの量だけかける。

オリーブオイルをたっぷり使った「ほたて貝のグリル」

「ほたて貝のグリル」調理例

ほたて貝とカキは、食用二枚貝類のなかでは横綱的存在で、世界各地で養殖されています。

ほたての身は、貝柱(閉殻筋)と卵(生殖巣)、ひも、ウロ(黒い中腸線)に分けられます。ひもは、塩をふってもみ、ぬめりや汚れを落とし、水洗いをしてから調理します。

卵はクリーム色がオス、オレンジ色がメスですが栄養価や食味にはほとんど差がありません。ほたては、高たんぱくで低カロリー、栄養たっぷりの食材です。

この料理は、タルタルソースを使っても、美味しく食べられます。

■「ハーブは、作り手の自由で」
フレッシュ・ハーブがない場合は、ドライで代用できます。近頃は、ハーブ園も多くなりましたので、入手も容易になりました。
お好みのハーブをキッチン・ガーデンで育て、楽しんでみましょう。
■材料(4人前)
ほたて貝:12個、ローズマリー:1枝、トマト:1個、バルサミコ酢:少量、エクストラ・ヴァージン・オリーブ油:少量、香草オイル(オリーブ油:100cc、にんにく:2片、ローズマリー・タイム・イタリアンパセリ:各2枝、バジル・セルフィユ:各1枝)、ワイン酢又はレモン:少量、塩・コショウ:適宜
■作り方
@トマトのへたを取り、沸騰した湯の中に5秒ほど浸す。取り出して氷水に入れ、皮をむく。横に二つ切りにして種を取り、角切りにする。
Aローズマリーの葉をみじん切りにする。
Bほたての身に塩、コショウ、Aのローズマリーをまぶし、香草オイルをかけ、フライパンで焼く。
Cボウルに角切りのトマト、バルサミコ酢、エクストラ・ヴァージン・オリーブ油、塩、コショウを入れ、軽く混ぜ合わせてソースを作る。
D皿にほたて貝を盛り、Cのソースをかける。

協力/岩手県立美術館レストラン パティオ(株式会社メルク:岩手県外食産業協議会会員)

ハーブのプロフィール

【イタリアンパセリ】
縮れ葉の普通のパセリより香りが強いと言われています。
【ローズマリー】
肉、魚、ジャガイモ料理の風味づけに使われます。
【タイム】
スープ、マリネ、肉、魚料理など、広く利用されます。
【バジル】
アオジソに似た匂いで、ヨーロッパでは「ハーブの王様」といわれています。
【セルフィユ】
もっとも使い道の多いハーブで、「美食家のパセリ」とも呼ばれます。
【セージ】
肉の臭み消しに効果があり、「長生きのハーブ」と言われています。
【ミント】
約30種にも及ぶ種類で共通するのは、独特の清涼感のある香りです。

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