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生産者が語る、いわての食財。

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陸前高田「広田湾」。おいしい冬便り。「奇跡の一本松が臨む海。広田湾は、美しさの宝庫でした。」

「ワカメがこんなに美味しいなんて。食べた人が驚く「広田ワカメ」」大野若布実行委員会 鈴木専司さん

ワカメと言えば三陸。中でも広田ワカメは、肉厚で歯ごたえがありおいしいと評判です。広田湾に流れ込む気仙川。山の養分をたっぷり運んでくれるので、ここ広田湾は、南三陸でも美味しいものが採れるのだそう。養分の豊かさと、澄みきった水質が、広田ワカメの高い品質に結び付いています。

「東京にいる娘と妹に送ってやると、こんなに美味しいワカメは他にはないって、喜んでくれる。私らは、これしか食べたことがないから、わからないんだよ。」実は筆者も、以前、広田ワカメをいただいたことがあり、その美味しさに驚いた消費者のひとり。柔らかいのに厚みがあって、噛みしめる食感が心地いい。香りもあって、誇張ではなくワカメ観が変わりました。

広田湾は、「奇跡の一本松」で知られる陸前高田市にあります。震災の津波の被害が特に大きかった地域です。広田ワカメの養殖施設、加工施設も大きな被害を受けました。これから収穫の最盛期を迎えようとしたワカメが養殖施設もろとも津波に襲われ、多くの人が船や設備まで、全てが流されました。

「ワカメは、生産者が養殖、ボイル、塩蔵加工までやって、メーカーに販売するんだけど、 組合員がそれぞれ持ってた設備はみんな流された。それでも、その年の7月には、組合員で共同体をつくって、次の収穫に向けて、採苗から始めたんだ。」

ご存知でしたか?ワカメは3月~4月末までが収穫期。一年中食べられますが、それは塩蔵加工などで保存性を高めているから。風味を損なわないようにするためには、収穫してその日に加工する必要があります。収穫⇒湯通し⇒塩蔵⇒一晩寝かす⇒脱水⇒芯抜き⇒再び脱水⇒品質チェック⇒出荷を3日のサイクルで繰り返します。ですからシーズン中は、収穫と加工に追われて大忙し。

5月から6月には養殖施設を引き上げて、掃除などの整備を行い、乾燥させます。ワカメの養殖施設は桁(ケタ)と呼ばれ、2本のロープをハシゴ状に浮玉で連結したもの(複式)。その両端には砕石を入れた土嚢などの重しをつけて海底に固定します。2本ロープのものを複式、1本のロープのものを単式。コンブ養殖もかねた複合型などがあります。

7月には、採苗です。水温が13℃になることを見計らって汲み上げた海水で満たした水槽に、メカブとシュロのロープ(種糸)を入れ、メカブから放出されたワカメの胞子が種糸に付着させ、海の深いところに下げておきます。発芽⇒配偶体⇒芽胞体を経て、3カ月かけて、この胞子が種糸からびっしりと芽吹いた状態(幼芽または幼葉)になる11月に、ワカメの養殖施設「桁」のロープにこの種糸をまきつけ、4カ月。翌年3月になるとようやく収穫です。

「震災の翌年は、加工設備がないものだから、生で出荷した。いまでは船も戻ったし、加工設備も整った。塩蔵ワカメ8割、生ワカメ2割の出荷ができるよ。」 産地ならではのワカメの楽しみ方として、1月下旬から2月の初旬にかけての「早採りワカメ」があります。まだ若いワカメなので、芯(茎)までやわらかく、収穫して生のまま店頭に並びます。「しゃぶしゃぶ」にしていただくのが絶品。湯通しでワカメの色がさっと茶色から鮮やかな緑色に変わったら、ポン酢などでいただきます。早春のおいしい風物詩として、地元でも楽しみにしている人が多いそうです。肉厚の三陸産でしか味わうことができないワカメのしゃぶしゃぶ。ぜひ、お試しください。

「広田のワカメは、なにせおいしい。歯ごたえがあって、色合い、風味もいい。こんなワカメ食べたことがないって言われるよ。とにかく一度食べてみてください。」 広田ワカメは、首都圏では、「成城石井」などで購入できるそうです。ぜひ、ご賞味ください。

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