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料理人が語る、いわての食財。

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ロレオール オーナーシェフ 伊藤勝康さんが語る「いわての和牛」

前沢牛のおいしさを引き出すには、フレンチのやり方だけじゃだめなんだ。

 岩手県にあるフレンチレストラン「ロレオール」。岩手県内はもちろん、全国から食通たちが訪れます。その理由は、オーナーシェフ伊藤勝康さんの手による、岩手の食材にこだわった、素材を生かしたフレンチ。たとえば南部鉄器を大胆に活用したり、ソースに地元岩手の古漬けを使うなど、伝統的なフランス料理の枠にとらわれない自由な発想で供されます。全国に知られたブランド牛「前沢牛」もシェフお得意の食材のひとつ。伊藤シェフの前沢牛への思いと語っていただきました。

 前沢牛は、難しい素材。牛肉じゃないって、言ってもいい。フランス料理でいう牛肉とはまったく別物なんだ。フランス料理の調理法は、赤身肉を対象にした考え方。フォアグラを合わせたりして、脂肪分を足していく発想。
いっぽう前沢牛は、バターの香りがするという、良質な脂をたっぷりもっている。これはフランス料理の引き出しだけじゃ、本当においしい料理にならない。
この前沢牛の良さを引き出すのに、僕なりにいきついた調理法がある。ひとつは南部鉄器を使うこと。脂なんてしかない。前沢牛の肉が持っている脂身で十分。表面だけグリルして、火を消しても、余熱だけで十分火が通る。きれいなロゼになるんだ。
それに、フォンドボーと、漬物を合わせたソース。フォンの旨みと、発酵の進んだ漬物を合わせると、醤油のような風味が生まれる。フォンドボーも通常のようにエシャロットのような香味野菜は使わない。岩手産の子牛だけ使う。余分なものをそぎ落として、前沢牛が持っている肉本来のおいしさを引き出していくんだ。そして、一皿の量も大切。召し上がる人が、本当においしかったと満足する量を見極めること。それを以上だと、脂っこいと感じたりするからね。
女房の郷里が前沢で、3年くらいやってみるのもいいかなあと思って、ここにやってきた。岩手では東京では得られなかった経験をした。なかでも出張料理で、岩手県各地を回った経験は大きかったね。南部鉄鍋で肉を焼く手法も、限られた時間や道具で、おいしい料理を提供する必要があって生まれた。いろんな人や食材との出会いがあって、食材の持ち味を生かすって料理の原点も意識したんだ。

ロレオール
http://laureole7.com/

伊藤勝康(いとうかつやす)シェフ
プロフィール

岩手県のフレンチレストラン、「ロレオール」シェフ。岩手の生産者たちと連携しながら、地産地消をコンセプトにしたメニューで、岩手の食材の魅力を県内外に発信している。フレンチの枠にとらわれないその発想は、2000年より出張料理人として、岩手各地を飛び回った経験から培われた。「前沢牛コロッケ」の開発、南部鉄器のPRなど、地域の活性化、PRに寄与。震災後、被災地域に赴いて炊き出しを行なったことは、県内外の多くの人の共感を呼んだ。平成23年度、農林水産省・料理マスターズを受賞。

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